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14B),染色むらなどのアーチファクトが見られ,過大に評価しないように注意が必要である.また,線維脂肪性結合組織上に中皮細胞の被覆が見られる場合(図14C)は鉗子の穿通が示唆される237). 心筋生検の主たる目的は特異的な二次性心筋症の除外であり,心筋生検による組織病理所見のみをもって原発性(特発性)の心筋症と確定診断することはできず,多くの症例では除外診断上の参考所見として臨床病理学的に確定診断がなされる.心筋生検においては,鑑別上問題となる種々の二次性心筋症を含めて,それぞれの病態に特異的な病理組織学的所見が得られることはむしろまれであり,臨床情報から想定しうる病因や病態との関連を念頭に特徴的な所見を拾い上げながら総合的に解釈する.一般に病悩期間の長い進行例では,光顕的にも退行性の強い典型的な組織像が観察されることが多く(図15A,B) 243),典型的な例は拡張相肥大型心筋症にみられる(図15E).脂肪浸潤もしばしば線維化に伴って生じるが,不整脈原性右室心筋症でのfibro-fatty changeは特徴的な所見とされる(図15F).しかしながら,組織学的な変性所見が軽度であっても重篤 ないし非可逆的な心筋症を否定することはできない(図15C,D).いくつかの組織学的なパラメーター,たとえば心筋の変性,融解,断裂,線維化の程度が心収縮力低下や予後と相関し,病態の裏付けとして有用であるとする見解もあるが244),反面,心筋生検の組織所見からの予後推定は困難とする報告もあり245, 246),心筋生検による予後の推定は確立していない. わが国では拡張型心筋症が心臓移植適応疾患の半数以上に及び,移植後の経過観察にも心筋生検による拒絶反応の評価が不可欠であるが,移植心における組織所見の判定法については既に刊行されているガイドラインを参照されたい227). 4.7.2 肥大型心筋症における心筋生検と病理 a. 心内膜生検の適応 肥大型心筋症では特徴的な病理学的所見を認めるが,臨床評価やCMRを含む非侵襲的検査が優先され,確定診 図14 心筋生検における代表的なアーチファクトと合併症に関連した組織像 B A:Contraction band artifact(HE染色,Bar:100μm) B:テレスコープ現象(Masson’s trichrome染色,Bar:50μm) C:中皮細胞に被覆される心外膜組織(HE染色,Bar:100μm) 図15 種々の心筋症の生検組織所見 A-D: 拡張型心筋症,A,BとC,Dはそれぞれ同一症例の組織像を示す.A,Bの症例では代償性肥大,線維化が高度であるが,C,Dに示す症例も同程度の心機能低下を示す拡大心である. E:拡張相肥大型心筋症,F:不整脈源性右室心筋症A,C,E,F:HE染色,B,D:Masson‘s trichrome染色(Bar:100μm)