p.24 抽出テキスト
4.3.2 経食道心エコー検査(表15) 経食道エコー法は,経胸壁エコー法にて十分な図が得られない場合,内腔狭窄による圧較差を観察する際に僧帽弁逆流による血流速との鑑別が必要な場合,さらに心筋切除術を行う際の術中評価134, 135)に有用である. 4.4 心臓MRI(CMR)(表16) 肥大型心筋症の画像診断ではこれまで長く,経胸壁心エコー検査が用いられてきた.しかし近年,CMRのソフトおよびハードの目覚ましい発展に伴い,高い空間分解能と時間分解能によって,より安定して心臓の形態や機能をとらえることが可能となり,CMRの占める重要性は次第に増加している.種々の撮影法のうち,シネMRIは,空間分 安静時,バルサルバ手技,立位 2Dまたはドプラ心エコー図 1年ごとの経過観察運動負荷 エコー 左室流出路最大血流速度による 推定圧較差 50mmHg以上 左室流出路に対する治療 左室流出路最大血流速度による 推定圧較差 50mmHg以上 左室流出路に対する治療薬物治療 無症状有症状 左室流出路最大血流速度による 推定圧較差 50mmHg未満 左室流出路最大血流速度による 推定圧較差 50mmHg未満 図10 左室流出路狭窄の評価・治療プロトコール(Elliott PM, et al. 2014 7)より) 表15 肥大型心筋症における経食道心エコー検査の推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベルMinds 推奨グレード 臨床症状または経胸壁エコー図で肥大型心筋症が強く疑われるが,経胸壁エコー図の画質不良のため,左室流出路および血行動態の観察が不十分な場合,または心筋切除例における術中のモニターI C B ii. 左室中部閉塞 心室中部閉塞型心筋症(MVO)は,左室中部で閉塞機転を生じるタイプであり,肥大した乳頭筋が収縮期に偏位することにより左室自由壁との間で閉塞をつくることによる86).具体的には,中隔,側壁および乳頭筋,各部分の肥厚の程度,収縮中期の位置関係により左室中部に閉塞をきたす.心尖部肥大型心筋症では,心尖部を中心とした肥大により内腔閉塞が起こり,心尖部に心室瘤を合併する例があり,そのような症例では内腔閉塞を起こしている部位が中部閉塞の部位となる30).その重症度は,収縮性,前負荷,後負荷により影響を受ける.なお,心尖部肥大型心筋症で内腔閉塞および心尖部に心室瘤を合併している症例は,予後不良と報告されている.心尖部心室瘤は,経胸壁心エコーでは,40%の症例で診断できず,CMRの施行によりはじめて診断可能という報告もある25).