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第3章 肥大型心筋症 1 定義と分類 1.1 定義 2005年の特発性心筋症調査研究班の手引き8) 同様,肥大型心筋症(HCM)は,「(1)左室ないしは右室心筋の肥大と(2)心肥大に基づく左室拡張能低下を特徴とする疾患群」と定義される.診断の確定には,基礎疾患ないし全身性の異常に続発し類似した病態を示す二次性心筋症(「特定心筋症」(1995年WHO/ISFCの「特定心筋疾患」に該当))を除外する必要がある6).すなわち,サルコメア関連遺伝子などに病因変異が同定されている場合,あるいは蓄積疾患や浸潤性疾患を含む他の心疾患や全身疾患に伴う左室肥大などの原因を認めない場合を肥大型心筋症とする.しかしながら,小児科領域では,他に原因がある心肥大も肥大型心筋症としてきた,わが国の歴史があり,本ガイドライ ンも小児肥大型心筋症に関しては,他に原因のある心肥大も肥大型心筋症として取り扱う. 臨床的に肥大型心筋症は,心エコー検査もしくは心臓MRI(Cardiac MRI; CMR)で,15mm以上の最大左室壁厚(肥大型心筋症の家族歴がある場合は13mm以上)で定義される(図4) 6, 7, 14, 15). 2014年のESCのガイドライン7)では,具体的な診断基準が提唱されている.以下に重要な点を列挙する. 1 1つ以上のsegmentにおいて,15mm以上の左室壁肥厚 が認められる.これは心エコー検査,CMRなどの画像診断を用い,安静時での評価による. 2 13~14mmの壁肥厚の場合,肥大型心筋症の診断は家 族歴,心臓以外の症状や兆候,心電図所見,遺伝子検査,各種画像検査での評価を含めた総合的な判断となる. 3 左室壁肥厚が15mm以上の肥大型心筋症患者の第1度近 親者以内の親族については,心エコー検査,CMR,心臓CTなどの画像診断で1 つ以上のsegmentにおいて 図4肥大型心筋症の定義 高血圧などの圧負荷や二次性心筋症を疑う所見があるか? ないある ・サルコメア遺伝子変異を認める・サルコメア遺伝子変異は認めないが他の二次性心筋症は否定されている・遺伝子検査は施行できていないが他の二次性心筋症は否定されている 肥大型心筋症二次性心筋症 左室壁15mm以上の心肥大 (肥大型心筋症の家族歴がある場合は13mm以上)