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娩が奨励されている18, 304)(クラスIIb).しかし,Fontan術後患者でのこれまでの報告では約半数で帝王切開による出産が報告され,そのほとんどが産科的適応とされている.しかし,Fontan 術後患者の帝王切開では,合併症としての産後出血が多く,治療に至ことが少なくない56, 61, 289, 301, 302, 303a). Fontan 循環の維持には適切な体血管抵抗の上昇が必要であり305),麻酔の導入,とくに全身麻酔時には過度な体血管抵抗低下を防ぐ必要がある. c. 水分管理 循環管理法は確立されていない.前負荷不足は体血圧低下の原因となるため,適切にCVP を維持し血圧低下を防ぐ必要がある.また,吸気時の静脈還流増加,体心室の前負荷増加は,Fontan 循環維持に重要である306).したがって,胸腔内圧の上昇は体心室の前負荷を減少させることから長い時間の怒責は避けることが好ましく,適宜,鉗子や吸引を用いて,分娩第II 期を短縮することも必要である.また,Fontan 術後では,開窓手術,Fontan ルートのリーク,肺動静脈瘻,体静脈―肺静脈側副血行路の発達により,有意な右左短絡が残存している場合があり,静脈フィルターなどでの空気塞栓の発生予防が必要である. d. 集学的管理の重要性 これらの報告から,NYHA 心機能分類I 度で主要な合併症がなく,心肺機能を含めた心血行動態指標が比較的良好であれば,妊娠出産時の事故は少ない可能性がある.しかし,これまでのFontan 術後患者の知見を,本人,パートナー,そしてそれら両親が十分に理解する必要があり,小児および循環器内科,産婦人科,心臓外科などの集学的な医療体制でこの問題に取り組むことが重要である49, 307). 2 肺高血圧症 肺高血圧症の定義は,平均肺動脈圧(mPAP)が25 mmHg 以上の病態とされる.2013 年にフランスのニースで開かれた第5 回国際肺高血圧ワールド・シンポジウム(ニース会議) 308)において,表33 のように5 群に分類さ れた.2 群は,おもに僧帽弁(体心室房室弁)膜症,左室(体心室)閉塞性疾患,左心(体心室)不全など,左心(体心室)系障害からの肺静脈圧上昇による受動的なmPAP上昇が基本病態とされる.したがって,第2 章3. 弁膜症,第2 章5. 心筋症,第2 章8. 心不全などの項をご参照いただきたい.3 群は肺疾患による病態であり低酸素障害の関与は指摘されるも,肺高血圧症に至る病因の詳細はいまだ不明の部分も多く,酸素投与などの従来からの治療以外の有効な治療指針は立ってはいない.呼吸器系のガイドライ ンを参考に,経験のある専門医へのコンサルトが望まれる. 5 群の種々の疾患に関しても各疾患の専門書を参考に個別に評価していくしかない.ここでは,基本病変が肺動脈閉塞性の障害で,肺血管抵抗値(PVR)上昇によりmPAPが25 mmHg 以上となった1 群の肺動脈性肺高血圧(PAH) 表33 再改訂版肺高血圧症の分類(ニース分類[2013 年]) 第1 群 肺動脈性肺高血圧症(PAH) 1.1 特発性PAH 1.2 遺伝性PAH 1.2.1 BMPR2 1.2.2 ALK1,endoglin(遺伝性出血性毛細管拡張症合併/非合併),SMAD9,CAV1,KCNK3 1.2.3 不明1.3 薬物・毒物誘発性PAH 1.4 各種疾患に伴うPAH(associated PAH: APAH) 1.4.1 結合組織病1.4.2 HIV 感染症1.4.3 門脈圧亢進症1.4.4 先天性心疾患(短絡性) 1.4.5 住血吸虫症第1′群 肺静脈閉塞性疾患(PVOD)および/ または肺毛細血管 腫症(PCH)第1′ ′群 新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)第2 群左心性心疾患に伴う肺高血圧症 2.1 左室収縮不全2.2 左室拡張不全2.3 弁膜疾患2.4 先天性/ 後天性の左心流入路/ 流出路閉塞および先天性心筋症第3 群肺疾患および/ または低酸素血症に伴う肺高血圧症 3.1 慢性閉塞性肺疾患3.2 間質性肺疾患3.3 拘束性と閉塞性の混合障害を伴う他の肺疾患3.4 睡眠呼吸障害3.5 肺胞低換気障害3.6 高所における慢性曝露3.7 発育障害第4 群慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)第5 群詳細不明な多因子のメカニズムに伴う肺高血圧症 5.1 血液疾患:慢性溶血性貧血,骨髄増殖性疾患,脾摘出5.2 全身性疾患:サルコイドーシス,肺組織球増殖症,リンパ脈管筋腫症5.3 代謝性疾患:糖原病,ゴーシェ病,甲状腺疾患5.4 その他: 腫瘍塞栓,線維性縦隔炎,慢性腎不全,区域性肺高血圧症(Simonneau G, et al. 2013 308)より) ©(2013) by the American College of Cardiology Foundation, with permission from Elsevier. https://www.sciencedirect.com/journal/journal-of-the-american-college-ofcardiology