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る196, 197).以上より,望ましい施設基準を表28 に示す45, 66–68, 198–204). わが国における妊娠・出産では,心疾患に関連した妊産婦死亡は,1990 年代と比較して増加している可能性があることが報告されている196).リスクの高い妊娠の場合は,妊娠・出産を慎重に計画する必要がある.高リスクの心疾患の妊娠に精通している産科医,循環器を専門とする医師(循環器内科医,循環器小児科医,成人先天性心疾患を専門とする医師,心臓血管外科医など),麻酔科医などの協 力が得られる循環器を専門とする施設での管理が必要である.加えて,心疾患を有する女性の妊娠・出産では,早産となることもあるため,新生児科医のバックアップ体制も必要である.リスクの低い妊娠の場合は,一般と同様に妊娠・出産が可能であるが,IE 予防が必要な場合が少なくない200, 202)(レベルB). 第2章 基礎心疾患別の病態 1 先天性心疾患 1.1 非チアノーゼ性心疾患(非手術例) この章では,明らかな合併心疾患のない単純疾患の場合について述べる.肺高血圧症(Eisenmenger 症候群)合併,有意な不整脈合併,その他の有意な心臓血管疾患合併の場合には,それぞれの項に述べる.合併症のない心房中隔欠損症(ASD)などの,ごく一部の疾患を除くと,感染性心内膜炎(IE)のリスクがあるため,これらの心疾患に対しては,分娩時のIE の予防が推奨される(第1 章9. 感染性心内膜炎を参照のこと). 1.1.1 心房中隔欠損症(ASD) ASD は,成人先天性心疾患のなかでもっともよくみられる疾患である.妊娠のために心拍出量が増大し,心雑音が大きくなった結果として,初めて診断されることがある. ASD は,短絡量が多い場合でも,とくに大きな合併症なく妊娠・出産を終えることが多いが,妊娠後期に上室不整脈が頻発するか,奇異性塞栓症を合併することがある205). ASD を有する妊婦が肺高血圧症を合併する確率は低いとされている206).僧帽弁前尖逸脱のために僧帽弁逆流を呈することがあるが,妊娠・出産について大きな問題となる ことは少ない.未修復例と修復術後例の妊娠の比較に関する最近の後ろ向きの多施設共同研究によると,未修復例では,妊娠高血圧腎症,胎児発育不全,胎児死亡などのリスクが高かったことが報告されている207).以上より,一般的に,未修復例の妊娠・出産時の心合併症のリスクは高くないが,妊娠合併症や胎児・新生児合併症のリスクが高くなる可能性があるので,注意が必要である.modified WHO分類ではクラスII に分類され,問題なく治療されているASD よりはリスクが高い47). ASD 単独に対する分娩時のIE の予防は不要だが,僧帽弁逆流を伴う僧帽弁逸脱を合併する場合は,分娩時のIEの予防が推奨される. 1.1.2 心室中隔欠損症(VSD) 小児期に心不全症状を示さず,左右短絡のまま成人に達した例では,妊娠・出産によく耐容する.基本的に左室容量負荷疾患であるため,妊娠中は体血管抵抗が下がることから,心不全を発症することは少ない.短絡量の少ない例では,妊娠による循環血液量の増大に伴って,心雑音が大きくなるが,循環動態的には大きな影響はない.漏斗部欠損例では,大動脈弁直下に短絡血流が存在するため,隣接する大動脈弁右冠尖が欠損孔に向かって引き込まれ(大動脈弁右冠尖逸脱),結果として,右冠尖に変形が生じて大動脈弁逆流を呈する場合がある.有意な大動脈弁逆流の場合,心室中隔欠損症(VSD)の病態を修飾することがある.