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の観察項目や目的が不均一であり,胎児スクリーニング検査の体制が確立されていない.そのため,家族,とくに母親が先天性心疾患を有する場合は,胎児は高リスク群として,スクリーニング検査を行うことが望ましい. 7.5.2 観察の時期 ESC ガイドラインでは,高リスク胎児の心臓スクリーニング検査は,妊娠18~22 週に行うことが推奨されている49).妊娠20 週台前半は,胎児心臓の観察がもっとも容易な時期であるが,半月弁の狭窄性疾患や房室弁の逆流性疾患では,妊娠後期に心臓の形態異常が明らかになってくることがあるため,妊娠30 週以降に再検することが望ましい.妊娠35 週を過ぎると胎児心臓の詳細な観察は難しくなる. 7.5.3 観察のポイント 胎児心四腔断面のみの観察では,胎児心疾患の診断率は十分ではなく,動脈弁狭窄や大血管転位といった疾患は診断困難である.胎児心スクリーニングを行う場合は,四腔断面と流出路断面・三血管断面で評価されることが多いが,スクリーニング陽性の症例に対して精密検査を行う場合には,より多くの心臓基本断面の観察が必要になる166, 167).胎児心スクリーニング検査の基本断面の観察時のポイントについて以下に示す(図5). 1 腹部断面:胃泡の位置,下行大動脈および下大静脈の 位置の観察.左右の確認. 2 四腔断面:心尖部の向き,心臓の大きさ(total cardiac dimension: TCD,cardio thoracic area ratio: CTAR),心内形態(心房・心室の左右のバランス,中隔の形態,房室弁の形態,心室壁の厚さ),房室弁逆流,肺静脈の形態と流速などの観察. 3 流出路断面・三血管断面:動脈弁の形態,大血管の大 きさ・血管分岐,それぞれの血管の位置関係などの観察.なお,胎児心疾患を有する場合は不整脈や心外異常を合併する率が高く,これらの合併疾患によっては,児の予後が大きく左右される可能性もあるため,心臓以外の形態異常の有無あるいは胎児発育の評価も必要である168). 実際の検査手順の詳細については,日本胎児心臓病研究会が作成した「胎児心エコー検査ガイドライン」169)やInternational society of ultrasound in obstetrics and gynecology(ISUOG)が作成した「ISUOG Practice Guidelines(updated): sonographic screening examination of the fetal heart」170)などを参照されたい. 表15 Biophysical Profile Score(BPS)の判定基準合計スコアにより胎児の状態を評価する.4 点以下は異常. 正常(スコア=2)異常(スコア= 0) 胎児呼吸様運動(FBM) 30 秒以上のFBM が30 分間に1 回以上30 秒以上のFBM を30 分間で認めない胎動(FM)明瞭な躯幹/ 四肢の運動が30 分間に3 回以上(連続運動は1回と数える)躯幹/ 四肢の運動が30 分間に2 回以下胎児筋緊張(FT)躯幹/ 四肢の伸展とそれに引き続く屈曲が30 分間に1 回以上か,手掌の開閉運動が1 回以上弱い四肢の伸展位で屈位に回復しない,胎動消失,手掌が一部開いたままNon Stress Test(NST)胎動に伴う一過性頻脈(15 bpm 以上,15 秒以上)が20 分間で2 回以上一過性頻脈が20 分間で1 回以下か,15 bpm未満のとき羊水量(AFV)垂直断面像で2 cm 以上の羊水ポケットが認められる羊水ポケットがないか,2 cm 未満のとき( ) 臍帯動脈血流拡張期の逆流出現は,胎児胎盤循環不全の可能性を示唆する.図4 臍帯動脈逆流(超音波ドプラ血流計測)