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p.28 抽出テキスト

関する見解」157)に準拠する.

6.3.6 網羅的遺伝子解析法

DNA 診断技術の進歩により,全ゲノム領域を対象にした網羅的遺伝子解析法も,出生前診断にも臨床応用されている.しかし,臨床医学的にも遺伝医学的にもまだ明確でない遺伝医学情報が多く,その意義づけや解釈が難しいことも多く含まれることから,出生前診断における網羅的遺伝子検査の前後に遺伝カウンセリングを行う必要がある(第1 章3.5 遺伝カウンセリングを参照のこと).

6.3.7 性別

重篤なX 連鎖遺伝病のために検査が行われる場合を除き,胎児の性別を告げない.

6.3.8 精度管理

出生前診断技術の精度管理については,つねにその向上に努める.

7 胎児評価法

胎児機能不全とは,「胎児が子宮内において,呼吸ならびに循環機能が障害された状態」と定義され,病態としては胎児の低酸素症を意味する.胎児の健康(well-being)評価法として,胎児心拍数モニタリングによるノンストレステスト(non stress test: NST)やコントラクション・ストレステスト(contraction stress test: CST),胎児心拍数モニタリングと超音波断層法を用いたバイオフィジカルプロファイル(biophysical profile score: BPS)や修正バイオフィジカルプロファイル(modified BPS),さらに胎児超音波ドプラ法による血流計測などがある158,159).

7.1 胎児心拍数モニタリング158, 159)

現在,胎児心拍数モニタリングによる胎児評価法として広く用いられているものは,NST とCST である.

胎児心拍数図波形の定義を表14 に示す160, 161).心拍数基線と基線細変動が正常であり,一過性頻脈があり, かつ一過性徐脈がないとき,胎児は健康であると判断する.以下のいずれかが認められる場合,胎児well-being は障害されているおそれがあると判断する162). 1  基線細変動の消失を伴った繰り返す遅発一過性徐脈2  基線細変動の消失を伴った繰り返す変動一過性徐脈3  基線細変動の消失を伴った遷延一過性徐脈

4  基線細変動の減少または消失を伴った高度徐脈

分娩時には,心拍数基線,基線細変動と一過性徐脈の組み合わせに基づいて胎児心拍数波形を1 ~5 までレベル分類し,レベル3 ~5 の場合,「胎児機能不全」と診断する.レベル分類1 ~5 に応じて,また妊娠週数,妊婦背景,ならびに施設の諸事情を考慮して,対応(経過観察,監視の強化,保存的処置,急速遂娩準備,急速遂娩)を検討する163).

NST は子宮収縮がない状態で,胎児の一過性頻脈の有無をみるものである.一過性頻脈が20 分間に2 回以上みられる場合は正常(reactive NST)で,胎児well-being は

表14 胎児心拍数図波形の定義

I. 胎児心拍数基線正常脈:110~160 bpm,徐脈:<110 bpm,頻脈:>160 bpm II. 胎児心拍数基線細変動

細変動消失:肉眼的に認められない細変動減少:5 bpm 以下細変動中等度:6~25 bpm細変動増加:26 bpm 以上III. 一過性変動

1) 一過性頻脈 (acceleration):心拍数増加の開始からピークまでが30 秒未満で,増加開始から頂点まで15 bpm 以上,元に戻るまでの持続が15 秒以上2 分未満のもの.妊娠32週未満では,心拍数増加10 bpm 以上,持続10 秒以上のもの. 2) 一過性徐脈心拍数の減少が急速であるか,緩やかであるかにより,肉眼的に区別することを基本とする.その判断が困難な場合は心拍数減少の開始から最下点に至るまでに要する時間を参考とし,両者の境界を30 秒とする.

1 早発一過性徐脈(early deceleration):子宮収縮に伴って,心拍数が緩やかに減少し,緩やかに回復する波形で,一過性徐脈の最下点が子宮収縮の最強点と概ね一致しているものをいう. 2 変動一過性徐脈(variable deceleration):15 bpm 以上の心拍数減少が急速に起こり,開始から回復まで15 秒以上2 分未満の波形をいう.その心拍数減少は直前の心拍数より算出される.子宮収縮に伴って発生する場合は,一定の形を取らず,下降度,持続時間は子宮収縮ごとに変動することが多い. 3 遅発一過性徐脈(late deceleration):子宮収縮に伴って,心拍数が緩やかに減少し,緩やかに回復する波形で,一過性徐脈の最下点が子宮収縮の最強点より遅れているものをいう.多くの場合,一過性徐脈の開始・最下点・回復が,おのおの子宮収縮の開始・最強点・終了より遅れる. 4 遷延一過性徐脈(prolonged deceleration):心拍数減少

が15 bpm 以上で,開始から回復まで2 分以上10 分未満の波形をいう.その心拍数減少は直前の心拍数より算出される.10 分以上の心拍数減少の持続は基線の変化と見なす.

(日本産科婦人科学会周産期委員会.2003

160),日本産科婦人科学会周産期委員会.2013

161)より作表)