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場合も,中等症以上では,育児参加が十分にできない場合がある.さらに,再手術,心不全,不整脈などによる治療や入院も,加齢に伴い増加する62, 63).一般家庭では,男性が家庭の経済的な役割を担うことが多いため,社会的・経済的側面を考慮すると,中等症以上の心疾患男性も,高齢で子どもをもつことは望ましくない.また,心疾患がある場合,生命保険や疾病保険に入れない場合も多い62). 3.3 禁忌疾患/ 病態 疾病に対する何らかの治療介入とは異なり,妊娠という人間の営みについて禁忌という言葉を用いることには議論 があるかもしれない.しかし,母体のリスクを考慮した場合,避けることが望ましい,あるいは推奨できない疾患や病態が存在することは確かである. 心不全患者における妊娠のリスク評価を考えるとき,ニューヨーク心臓協会(NYHA)の心機能分類が用いられることが多い(表7) 64).比較的安全と考えられているII 度以下では,妊娠・出産が可能であることが多いが,それでも死亡例がみられるので,NYHA 心機能分類のみで予後を推定し,絶対的な判断を下すことは危険である.個々の病態をしっかりと把握して,リスクを検討し,患者と情 表4 modified WHO 分類を用いた母体心血管リスク評価(わが国独自の内容を追加) modified WHO分類妊娠リスクカテゴリー母体の危険因子modified WHO クラスI 母体死亡リスクの増加なし母体罹病リスクなし,あるいは軽度増加単純型の軽症肺動脈狭窄,PDA,僧帽弁逸脱 良好な修復術後である単純型先天性心疾患(ASD,VSD,PDA,肺静脈還流異常)単発性の心房あるいは心室期外収縮 modified WHO クラスII(妊娠していなければ問題とならないレベル) 母体死亡リスクの軽度増加母体罹病リスクの中等度増加未修復のASD,VSD Fallot 四徴症心内修復術後ほとんどすべての不整脈 modified WHO クラスII~III(個々の状態による) 母体死亡リスクの中等度増加母体罹病リスクの中等度増加軽度の左心室機能低下 HCM自己弁あるいは生体弁の弁膜症でWHO 分類I かIV 以外Marfan 症候群(大動脈拡大なし)大動脈二尖弁を伴う大動脈疾患(大動脈径<45 mm)大動脈縮窄症術後 modified WHO クラスIII 母体死亡リスクの有意な増加母体の重症罹病リスクの有意な増加※ 妊娠禁忌まではいかないが,個々の状態によりWHO 分 類IV と同等のこともある.熟練した専門家のカウンセリングが必要.継続の場合は,妊娠全経過中,分娩,産褥期と,心臓・産科ともに集中かつ専門的経過観察が必要機械弁(わが国ではWHO クラスIV) 体心室右室Fontan 術後未修復のチアノーゼ性心疾患(チアノーゼの程度による)その他の複雑型先天性心疾患Marfan 症候群(大動脈径40~45 mm)大動脈二尖弁を伴う大動脈疾患(大動脈径45~50 mm) modified WHO クラスIV きわめて高い母体死亡リスクきわめて高い母体の重症罹病リスク~妊娠禁忌~ ※ 妊娠したら人工妊娠中絶を検討すべき.継続の場合はク ラスIII に準ずる肺動脈性肺高血圧(いかなる原因でも) 高度な体心室機能低下(LVEF <30%,NYHA 心機能分類III~IV 度)周産期心筋症の既往と左心室機能低下の残存重症僧帽弁狭窄,症候性の重症大動脈弁狭窄Marfan 症候群(大動脈径>45 mm)大動脈二尖弁を伴う大動脈疾患(大動脈径>50 mm)未修復の重症大動脈縮窄症 ASD:心房中隔欠損,HCM:肥大型心筋症,LVEF:左室駆出分画,PDA:動脈管開存,VSD:心室中隔欠損(Thorne S, et al. 2006 48),Regitz-Zagrosek V, et al. 2011 49)を参考に作表)